このガイドは、VPNを初めて使う人に向けたものです。申し込みと支払いからクライアントが実際につながるまで、操作自体はわずかですが、どのステップでも「成功と表示されているのに実際は通っていない」ことが起こります。以下では実際の順番どおりに各ステップを分解し、終わったときに何が見えていればよいか、つまずいたらまずどこを見るかを書いていきます。VPN初心者が最も時間を浪費するのはインストールではなく、サブスクリプションが更新されていない、システム権限を与えていない、分流ルールがテスト通信を直結に流してしまう、といった点です。
申し込み前に確認すべき三項目
支払いの前に3つを揃えます。登録方法、プラン、支払い方法です。この3つが決まれば、その後の流れで手戻りはほとんど起きません。
最も見落とされやすいのが登録方法です。本サービスのアカウントはメールアドレス不要で、ユーザー名とパスワードだけで作成できます。確認メールを待つ必要も、普段使っているメールアドレスを渡す必要もありません。その代わり、認証情報はこの2つだけなので、登録が終わった時点でパスワードマネージャーに保存してください。ブラウザの自動入力だけに任せないようにします。
プランは毎月の通信量で3段階に分かれ、通信量は申し込み日を基準に毎月リセットされます(毎月1日ではありません):
| プラン | 月間通信量 | 主な用途 |
|---|---|---|
| ¥9.9 / 月 | 60GB | 1台のデバイスで、Web閲覧・文書・メッセージが中心 |
| ¥18 / 月 | 250GB | 2〜3台のデバイスで、日常的な動画視聴とリモートワーク |
| ¥28 / 月 | 500GB | 複数デバイスを長時間接続し、大容量ファイルを転送 |
たまにしか使わない場合は、従量制のトラフィックパックもあります。¥158で300GB、¥358で1000GB、¥658で3000GB。使い切るまで有効で、期限はありません。月額プランとは別枠で、毎月ゼロに戻ることはないため、出張や一時的な利用に向いています。
支払い方法はAlipay・WeChat Pay・USDTの3種類。デバイス数は無制限で、同じアカウントを複数のデバイスで同時に使えます。これは「まず1台で接続を確認し、それから他のデバイスへ広げる」流れで重要です。テストのためにアカウントを切り替える必要はありません。
登録と申し込み:メール不要の流れ
このセクションの操作は順番に進めれば完了します。途中でパネルを離れる必要はありません。
- パネルの登録ページを開き、ユーザー名とパスワードを入力します。ユーザー名は決めたら変更しないでください。後でクライアント上で設定を見分けるときに使います。
- 送信するとそのままパネルに入ります。成功のサインは概要ページが表示されることで、フォームに留まっている状態は失敗です。
- プランページで段階を選び、期間と月間通信量を確認してから、支払い方法を選んで決済します。
- 決済が完了したら概要ページに戻り、利用可能な通信量と有効期限が表示されていることを確認します。
各ステップの「成功のサイン」をしっかり見極めます。登録成功のサインはパネルに入れること、決済成功のサインは概要ページに通信量の残りが表示されることで、決済サービス側の引き落とし通知だけでは不十分です。両者にはタイムラグがあるため、食い違うときはまずパネルを再読み込みし、それから注文履歴を確認します。
アカウントの認証情報はユーザー名とパスワードの2つだけで、追加の確認ステップはありません。登録が終わったらまずパスワードマネージャーに保存し、大文字と小文字だけで区別する重複した文字がパスワードに含まれていないか確認してください。こうしたパスワードはスマートフォンでの入力時に最も間違えやすいからです。
サブスクリプションの取得:リンク・QRコード・クライアント
サブスクリプション(subscription)はノードそのものではなく、ひとつのアドレスです。クライアントがこのアドレスにリクエストを送り、ノード一覧を受け取って、回線ごとに解析します。一覧の形式は主に2種類あり、ひとつは1行に1ノードのURIを並べたプレーンテキスト(例:ss://、vmess://、trojan://、vless://、hysteria2://、tuic://)を全体でBase64エンコードしたもの、もうひとつはYAML設定で、プロキシグループと分流ルールをまとめて配信するものです。クライアントが対応している形式を使えば問題ありません。
パネルのダウンロードページに各プラットフォーム向けのクライアントが用意されています。ログイン後、OSに合ったインストーラーを取得してください。検索結果で「同じクライアント」を探してダウンロードしないでください。出所が不明なインストーラーは、あなたのサブスクリプションアドレスをそのまま持ち去ります。
サブスクリプションリンクはアカウントの認証情報と同じです。リンクを入手した人はあなたのノード一覧を取得できます。公開グループに貼ったり、スクリーンショットを送ったりしないでください。QRコードの中身も同じアドレスです。
クライアントに導入する前に、サブスクリプションが正常に更新できることを確認します。ノード一覧が空でなく、件数がパネルの表示と一致していること。一覧が空なら、その後の切り分けはすべて無駄になります。
クライアントへの導入:5つのプラットフォームの違い
同じサブスクリプションでも、OSによって導入の操作もつまずきどころも異なります。以下の表にプラットフォーム別の導入方法とよくある失敗原因をまとめました。
| プラットフォーム | 導入方法 | よくあるつまずき |
|---|---|---|
| Windows | サブスクリプションリンクを貼り付けて更新 | システムプロキシは一部のアプリしかカバーしない。TUNモードは管理者権限がないと仮想NICをインストールできない |
| macOS | リンクを貼り付け、初回接続時にネットワーク拡張を許可 | 権限を承認していないと、クライアントは接続済みと表示しても出口アドレスが変わらない |
| Android | QRコードを読み取るかリンクを貼り付け、アプリ別プロキシも設定可能 | メーカーの省電力設定がバックグラウンドプロセスを停止し、画面ロック後に通信が切れる |
| iOS | クライアント内で導入し、システムVPN構成を生成 | 初回接続時のシステムダイアログを許可しておらず、構成が有効になっていない |
| Linux | コマンドラインのコアとGUIフロントエンドを組み合わせ、リンクを貼り付け | TUNにはrootまたは相当の権限が必要。ない場合はローカルポートを待ち受けるだけになる |
プロトコル層の違いは「どの回線がつながりやすいか」に影響します。ShadowsocksとTrojanはTCPが中心で、Trojanは標準のTLSハンドシェイクを行うため、システム時刻と証明書チェーンに敏感です。VMessとVLESSもTCP中心ですが、VLESSはより軽量で、TLSと組み合わせて使われることが多いです。Hysteria2とTUICはQUIC、つまりUDPを使うため、パケットロスが目立つネットワークでは安定しますが、UDPを制限するネットワークではTCP回線に戻したほうが速い場合があります。
Androidのアプリ別プロキシは特に説明する価値があります。有効にすると、チェックを入れたアプリだけがプロキシを通ります。ブラウザにはチェックを入れたのに目的のアプリに入れていないと、「Webページは開けるのにアプリは読み込み中のまま」という状態になります。テスト段階ではまずすべての通信をプロキシ経由にし、つながることを確認してからアプリごとに開放していきます。
接続確認:再現できる3ステップのチェック
クライアントの「接続済み」はローカルの状態にすぎず、通信が本当に外へ出ているとは限りません。以下の3ステップで確認すれば、アイコンより確かな判断ができます。
- 出口アドレスを比較します。接続前にブラウザで任意のIP確認ページを開いて結果を控え、接続後にもう一度確認します。2回で違えば通信は回線を通っています。同じならプロキシが効いていないので、システムプロキシやTUNが本当に有効になっているか確認してください。
- DNS解決がどこを通っているかを見ます。DNS問い合わせがローカルネットワークで処理されていると、解決結果はあなたの所在地を反映し、遠く離れたノードに割り当てられることもあります。
- 実際に使うサイトやアプリを開きます。最初の2ステップが通っているのにここで失敗するなら、回線自体の問題ではなく、分流ルールがそのドメインを直結に分類している可能性が高いです。
# macOS / Linux:特定ドメインの名前解決結果を確認する
dig example.com +short
# Windows PowerShell
Resolve-DnsName example.com
サンプルのドメインを実際にアクセスするものに置き換え、未接続時と接続後にそれぞれ1回ずつ実行して結果を比べます。接続後もローカルネットワークのアドレスが返るなら、DNSがプロキシに追従していません。
つまずいたときの確認順序
順番に確認し、飛ばさないでください。各ステップで原因の種類をひとつずつ排除できます。飛ばし飛ばしに確認すると、問題がこじれるだけです。
- ✅ まずサブスクリプションを更新:ノード一覧が空だったり古い項目しかないと、その後どう調整しても意味がありません。
- ✅ 次に回線を変更:同じ地域には通常複数の回線があり、1本つながらないからといってアカウントの問題とは限りません。
- ✅ システム時刻を確認:ずれが大きいとTLSハンドシェイクが失敗します。VMessなどは特に敏感なので、自動時刻合わせを有効にしてください。
- ✅ アプリ別プロキシと独自の分流設定をオフにし、すべての通信をプロキシ経由にして再テストします。
- ✅ 別のネットワーク環境に切り替える:現在のWi-Fiから別の回線に変えて、こちら側がポートやUDPを制限していないか判断します。
- ❌ いきなりクライアントを再インストールしない:設定が壊れていないなら、再インストールは本当の原因を隠すだけです。
- ❌ 2つのプロキシツールを同時に起動しない:システムプロキシとTUNが通信を取り合います。
- ❌ サブスクリプションリンクを公開の場に貼って助けを求めない:アカウントの認証情報と同じです。
サポートに連絡するときは、情報が具体的なほど対応が早くなります。OSのバージョン、クライアント名とバージョン、問題が出ている回線、どのステップで止まったか、元のエラーメッセージがあるか。エラー原文を含むスクリーンショット1枚は、「つながらない」という10行より役に立ちます。
初日の運用習慣
つながった後、日常の使い勝手を左右するのは回線数ではなく、3つの設定と習慣です。
分流ルール
分流はどの通信をプロキシ経由にし、どれを直結にするかを決めます。一般的なルールはドメイン、IPレンジ、地域でマッチさせます。よく使う国際サイトはプロキシ、ローカルサービスと社内アドレスは直結、という形です。ルールを逆に書いたときの典型例は「ローカルのクラウドストレージが遅くなり、国際サイトは相変わらず開けない」という状態です。ルールを変更したら、接続ボタンを押すだけでなく、クライアントに設定を再読み込みさせてください。
通信量の確認
月額プランの通信量は申し込み日を基準に毎月リセットされ、毎月1日ではありません。パネルの使用済み通信量は「知らないうちに通信が流れていないか」を判断する唯一の材料です。1日の使用量が想定を大きく超えたら、まずOSのアップデートやクラウドバックアップのような大容量タスクをプロキシ経由にしていないか確認してください。
返金期間
30日間の理由不問返金は、最初の1週間を試用期間として使えるということです。よく使うデバイスをすべて接続し、よく見るサービスをひととおり開いて、自分のネットワークで回線が安定しているかを確認してから、長期利用を決めてください。デバイス数は無制限なので、一度に全部検証できます。
まとめ:申し込み前に登録方法とプランを確認し、決済後はパネルでサブスクリプションリンクを取得、クライアントに導入したら「出口アドレス → DNS → 目的のサイト」の3ステップで確認します。つながらないときは「サブスクリプション更新 → 回線変更 → システム時刻の確認 → 分流オフ」の順で切り分けるほうが、クライアントの再インストールを繰り返すよりはるかに効果的です。